Biography
河村 絢音
ヴァイオリニスト・博士(音楽)
1996年横浜⽣まれ、4歳よりヴァイオリンを始める。
湘南白百合学園(幼・小・中)を経て、 2015年桐朋⼥⼦⾼等学校⾳楽科を卒業後、渡仏。2017年パリ国⽴⾼等⾳楽院 第一(学⼠)課程ヴァイオリン専攻を早期卒業し、仏国家演奏家資格 DNSPMを取得。
2019年同音楽院 第二(修士)課程修了後、2022年に 第三課程 アーティスト・ディプロム 現代音楽演奏・初演科(博士相当)を修了。同時にフランクフルト音楽大学大学院にて2つ目の修士課程を修了。2024年東京藝術大学大学院 音楽研究科 博士後期課程 音楽専攻を修了し、博士(音楽)を取得。 現在東京藝術大学専門研究員。
2018/19年度フランス政府給費留学生、2019-21年度文化庁新進芸術家海外研修生、その他 Meyer財団、Académie musicale de Villecrozeなどより助成を受ける。Fondation des Ecoles d’Art Americaines de FontainebleauよりPrix Ravel ラヴェル賞を受賞する他、これまでにコンクール受賞歴多数。
これまでにパリ管弦楽団やアンサンブル・アンテルコンタンポランに客演する他、Phiharmonie de Paris 大ホールでのプレリュード・コンサート、欧州の主要な音楽祭 (Présences, Messiaen, Ensemble, Fontainebleau (仏), Darmstadt, Shortcut (独), Traiettorie (伊), Krangspuren IEMA (墺), Offbeat (丁)) に招聘され、演奏を重ねる。またミクスト作品、ライヴ・エレクトロニクス作品の演奏、多数の世界・日本初演に携わる。
帰国後は、「河村絢音による現代ヴァイオリン作品研究シリーズ」を主宰の他、ヴァイオリンとエレクトロニクスの可能性の提案・探求を理念に演奏グループ「kasane(かさね)」を設立し、サントリー芸術財団佐治敬三賞推薦コンサートや神奈川県立音楽堂主催「新しい視点」に抜擢されるなど、精力的に活動している。これまでに「サントリーホールサマーフェスティバル2023『室内楽ポートレート』」、日仏現代音楽協会主催「10周年コンサート」、「Cabinet of Curiosities 2023」、神奈川県民ホール主催「C×C」、2024年度東京オペラシティ財団主催リサイタルシリーズ「B→C」などに出演。
パリ国立高等音楽院在学中に、Meyer 財団後援の同音楽院レーベル「 INITIALE 」のCDプロジェクト「 Jeunes Talents - 若きタレント」に選抜され、 CDアルバム「Le Violon augmenté」をリリース。「レコード芸術ONLINE」2024年10月推薦盤として紹介され、『読売新聞』『朝日新聞』『音楽の友』『音楽現代』『intoxicate』など各紙で紹介・推薦され、好評を得ている。
研究活動では、ミクスト、ライヴ・エレクトロニクス作品を専門に研究しており、博士論文「ピエール・ブーレーズ、エマニュエル・ニュネス、フィリップ・マヌリによるヴァイオリン・ソロとライヴ・エレクトロニクスのための作品に関する一考察――ヴァイオリンとライヴ・エレクトロニクスにおける相互関係性――」を執筆し、日本音楽学会全国大会・東日本支部定例研究会にて研究発表を行う。
また、2023年より「河村絢音による現代ヴァイオリン作品研究シリーズ」では先行研究を踏まえたアナリーズ研究、奏者視点による考察、委嘱作品の作曲過程の紹介、作曲者へのインタヴューを論文のように冊子にまとめ配布するコンサート・シリーズを主宰しており、演奏と研究の相互間の連携を高め、ヴァイオリンにおける現代作品の認知、また邦人作曲家の委嘱によるレパートリーの拡充を目標に活動している。
2023年より東京国際芸術協会主催「海外音楽大学マスタークスラス派遣オーディション」の審査員を務め、講演発表を行うなど、教育活動に従事している。
これまでに萩野恵美⼦、⽔野佐知⾹、徳永⼆男、千々岩英⼀、野口千代光、Ami Flammer, Frédéric Laroque, Hae-Sun Kang, Ulrich Edelmann 各⽒に師事。